文房シリーズ デザイン雑記帳
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漆
かつて漆のことを海外ではJAPANと呼ばれ、宝物のように珍重された時代があった。それほどに漆は日本を代表する工芸だったのだろう。漆のしっとりとした美しさと、様々な技法によって変化する表情が私たちを魅了する。
香川は日本有数の漆の里
この商品のメーカーである桜製作所の本拠地、四国香川では古くから漆芸が盛んで、蒟醤(きんま)、存清(ぞんせい)、彫漆(ちょうしつ)など数々の技法が継承されてる日本有数の産地だ。
プロジェクトでは香川県無形文化財保持者であり紫綬褒章の受章者でもある作家の山下義人さんの協力を得て「文房シリーズ」の漆のデスクトップの開発をしてきた。
一閑張りの技法をもとに土佐和紙の肌裏紙を用いて繊細でやわらかな肌合いをだしたもの、石肌を想わせる変塗りで独特な表情を見せる「石地塗」、そして全体に錫を蒔き、研ぎ出し磨き上げた「牡丹絞塗」のデスクトップは今まで目にしたことがない格調に輝いている。
こうした変り塗りは、漆の性質を生かしながら色彩と材料の応用で塗り肌にさまざまな表情が生まれ、堅牢性と実用性を兼ねた技法である。
錫研ぎ出し「牡丹絞塗」のデスクトップ
発売当初はデスクトップの沢山のオプションをもち、その中から自由に選定できるようにしたが、どうも日本人というのは、沢山あると選定に困惑するようで2010年モデルから一気に3種類に絞り込んだ。
絞り込んだ理由は、もうひとつあって、それは売り場の売り子さんが説明しきれないという事もあったようだ。
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