連載「人と仕事」目次

i+iステーショナリー 誕生記

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開き直りの商品開発

I+Iステーショナリー 手漉き和紙の和封筒
板干しの和封筒

i+iの商品群は通常とは全く異なる商品開発の発想で考えることにした。 一般的に商品開発というのは、出発点となる企画、アイディアから始まり、市場の設定、開発コストなどの検討を経て、流通コストなどを織り込んで価格設定される。 その長いプロセスには様々な障壁があり、技術的な問題のみならず、開発とコストの問題は常に戦の場でもある。

企業は当然の事ながら利潤を目的として活動しているわけだから、結果は別として、設計段階ではビジネスとして慎重の上にも慎重にリスクの検討が加えられ勝算のある商品のみが、日の目を見る事になる。

今回はこうした通常の方法論を一切無視して、最高のものを作ってみようという事だけを考えている。一部の商品は驚くほど高価なものになったが、所詮趣味の領域であり、究極のこだわりの領域だ。 たとえ少数の人々であっても、最高級の和紙の魅力を存分に味わっていただく事ができれば、それでよしとしようと思う。

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authorInoh Ippei  linkLink  comment0  trackback 

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株式会社古今研究所 代表取締役
稲生一平

アートディレクター、陶芸家
1942年生まれ。大手広告代理店に勤務後に独立。異色のプロデューサーとして活動。
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